プライムタイム制覇!


今季初のマンデーナイトフットボールは、レイブンズがスーパーボウルを制したスーパードームが舞台に
相手は先週レイダースを無失点に抑えたセインツ。3勝5敗と苦しんでいるが、NFC南は全チーム負け越しているのでここで勝てば地区首位はまだまだ十二分に狙える位置
レイブンズも1勝差でベンガルズが追っているので負けられない試合だ



レイブンズオフェンスvsセインツディフェンス
QBラマーはパスの成績こそ12/22 133ヤード1TDでレーティング87.9と低めではあるが、スプレッドオフェンスの肝であるレシーバーへの投げ分けという意味では、12成功中で10人のレシーバーにヒット(ここ30年では初)させるという盤石っぷりを見せてくれた
特にここ数試合ではターンオーバーが無くなったことが素晴らしい。サックも3つ受けているが、かなり抜け出せていたり、抜け出せなくともスクリメージ付近まで上がれるアジリティがあったりでサック喪失は僅か2ヤードに留まっている
レシーバーはTEライクリーが最多5ターゲットで1TD。先週見せたのとほぼ同じプレーで、QBラマーにとって100個目となるタッチダウンスローをエンドゾーンまで運んでくれた
これでセインツは今季初めてTEにタッチダウンを許すことに。ただしその後はドロップも多く、結局はキャッチできたのはこのパスのみだった。伸びしろですねえ
WRプロシェイは2ターゲット2キャッチ、このオフェンススキームへの適合を見せてくれた。他はWRデショーン・ジャクソンがレイブンズとして初のキャッチ
WR1に躍り出たデュバネイこそ5ターゲット1キャッチ5ヤードに留まったものの、TEオリバー、WRロビンソン、RBドレイク、RBヒル、RBデイビス、FBリカードにしっかりヒットさせ的を絞らせなかった
試合終盤にはディレイオブゲームに苛立ちを見せる場面もあった。勝負に徹底的に勝ちたいという意欲の表れとも思われるが、チームメイト特に新人を委縮させてしまう可能性もあるのでそこは徐々に大人になって欲しい。幸いにも、LTスタンリーがすぐに宥めに行ってくれていた。持つべきものはリーダーシップだなあ

セインツのパスディフェンスは、そもそもパス自体が少なかったことやミススロー&ドロップというレイブンズ側のミスもあり、見るべきは少なかった
パスディフェンスは僅かに1で、QBヒットは2つ。しかし3サックは計上していたので効率自体は良かったのかもしれない

RBドレイクの言うように、レイブンズオフェンスはラン攻撃が全てだ。パスを投げない方が成績が良い(ある面、当たり前でもあるが)
この試合の立ち上がりは、ILBがどっしり待ち構えていたインサイドへのランがあまり出ず。ただ少しずつアウトサイドゾーンのランを増やしたことで、スプレッドパスオフェンスの助けもありセインツディフェンスを横にストレッチしてゲインを増やすことが出来た
後半からはディフェンスの疲労に付け込んでインサイドのランも出るように。こうなれば勝負ありだ
QBラマーの肝もパスよりかはラン。この試合でも11キャリー82ヤードと安定した走りを見せ、5回のミスタックル誘発と7回のファーストダウン獲得を記録
4年ちょい経って全然捕まらないのはファンにとっても七不思議のひとつである
またRBドレイクは24キャリー93ヤード2TDの獲得。前半の数字が良くなかったので全体成績はそれなりに収まったが、後半の欲しいところでのランは本当に頼りになった。RBガスやRBドビンズが帰ってきてもロースターに残すべき選手だと思うぞ
RBヒルはロスタックルなどもあり4キャリー11ヤードと芳しくなかったが、バレバレのランシチュエーションでの数字もあるので責めないでおこう。むしろ9ヤードゲインのランがあったことを褒めたい
FBリカードは現代では珍しくスナップの68%ほどに出場するタフガイ。真骨頂はランブロックだが、この試合では1キャッチの他、ショートヤードをランでもぎ取る活躍もしてくれた

セインツもロスタックルを5個積み上げており全くの無策だったわけではない。前半にインサイドを走らせなかったディフェンスは、レイブンズにとって苦しかった
1stダウン、2ndダウンの守備も良く、割と長めの3rdダウンコンバージョンを強いられていた印象。それを更新できたオフェンスが凄かった
そしてセインツオフェンスが上手く行かなかったのもあり最後は疲労が出た感じか。同情する
ILBディマリオ・デービスはやはり1サック2ロスタックルと最大の脅威。今年こそプロボウル選出されてくれ

オフェンスラインは今日も絶好調。LTスタンリーからはプレッシャーすら許さず、モーゼスは若干のミス(味方FFと反則1個)はあったがランブロッキングで無双し、PFFグレードは93となった
全体でも6プレッシャーのみ。スタンリー復帰以降、パスプロのグレードでLTスタンリーがOT2位(Week9通してだと1位)、RGザイトラーとLGパワーズがそれぞれOG1位と2位となっている
Cリンダーバウムも決して悪いわけでなく、ランブロックに出たときのクイックネスはリーグ屈指のレベルだ
ラマーのアジリティやラン攻撃の脅威に助けられていることもあるが、それでもこの成績は見事。オフェンスラインが勝っていて負ける試合はほとんどない
とはいえ、パスプレーは22回のみ。プレッシャーでランになったプレーもあったので正確なことは言えないが、単純計算ではプレッシャー率27%ほどになってしまう。実際にはそういった感じではないが、ここは実数だけでなく率でも見ておかねばならないかもしれない

オフェンス全体でラン40回188ヤードと文句なしの成績。3rdダウン成功率も9/15と60%もあれば万々歳。ファーストダウン23個で反則も2つだけ。タイムポゼッションは38分弱あり。完全に勝つときのスタッツになった
セインツディフェンスはところどころで良いプレーが見れたものの、全体的にはほとんど見せ場なし。ILBターナーやDEダベンポート、CBテイラーなど怪我人も嵩んでしまった

理想的な封じ込め作戦で試合をコントロールして安全に勝ち(もっともファンにとっては何故か今季4Qに28点差以上ないと不安が襲ってくるが)
こんな試合がもっと見たい



セインツオフェンスvsレイブンズディフェンス
ランオフェンス主体のチームには強力ディフェンスが付きもの。今季は新DCということもあり序盤に取りこぼしまくってしまったが、戦術が定着してきてからは安定した成績。更にトレードでILBロクアン・スミスを獲得したり、OLBバウザーが待望の復帰を果たしたりで更に戦力が増強。今後は新人OLBオジャボやSウィリアムスも帰ってくるので、このまま健康であれば隙が無い

殊勝だったのはベテランOLBヒューストン。怪我から復帰してここ数試合好調だったが、今回はそれにも増して良かった
5プレッシャー2.5サック1FF未遂はもちろん、1intの反応も素晴らしい
これでレイブンズのテイクオーバー連続記録が続いた
ヒューストンは現在8.5サックでリーグ2位タイ。しかも怪我の影響で6試合の出場に留まっていると考えれば、かなりとんでもない数字だ!
またレイブンズでは、あのサッグスも到達できなかった3試合連続複数サックの記録も打ち立てた
彼もこのオフシーズンには引退を考えていたらしいが、再びレイブンズのために戻って来てくれた。ヒューストンのためにも今季こそスーパーボウルリングを取りたい

この試合は他のディフェンスも良く、ハンフリーはタッチダウン阻止に加えて重要な3rdダウン&ゴールで1サックの活躍

QBドルトンはパス19/29 210ヤード1TD1intでレーティングは84.0。レッドゾーンでタッチダウンを取れず、また唯一上げたタッチダウンは完全にこっちの油断からのものだった
前半終了間際でのタッチダウン未遂もあり、チームを上手く導けなかった印象だ

WRはエースのトーマスと新加入のランドリーを欠いていて元々苦しかった
チームを救うレシーバーの一角になっていたRBカマラはRBらしからぬワンハンドキャッチを見せるなど能力の高さを示し3キャッチ32ヤード。もう少し欲しかったところか
そんな中でも新人WRオラーベは活躍。9ターゲット6キャッチで両チーム最多の71ヤードをレシーブしオフェンスをつないでいた。セインツはQBウィンストンやヒルの採用もありQBの一貫性に欠けている面もあるが、それでも継続して活躍できているのは素晴らしい
WRキャラウェイも失投がなければタッチダウンを記録していたであろうし、TEジュワン・ジョンソンは最後にギリギリでタックルをかわし、足をインサイドに残してロングタッチダウンと注目すべきポイントは割とあった
CBピータースはそのプレーで何らかの主張を主にハーボーHCにしていたようだが、弁明の余地はあるのだろうか
またSクラークも大きな点差があったとはいえ、油断せず笛が鳴るまでプレーすべきだった。改善しよう

レイブンズディフェンスは4サック6パスディフェンス7QBヒットでプレッシャー率44%とパスディフェンスでは大活躍してくれた。新人Sハミルトンも調子を上げてきているしCBハンフリーは未だタッチダウンを許さず
楽しみしかない

ランオフェンスは、RBカマラが9キャリー30ヤードと振るわず。ハイライトは少なかった
TEテイサム・ヒルも1キャリー6ヤードに留まったが、CBハンフリーを轢いていくパワーランは素晴らしかった
ゲーム展開上、15回48ヤードしかランが出来なかったため評価はほぼ出来ないと言っていいだろう。ただ試合序盤に新加入ILBロクアン・スミスがショートヤードを止めまくる活躍で波に乗らせなかったという活躍もあった

そのロクアンだが、ギャップ埋め、プレッシャー、カバー、戦術理解度(初試合でこれはすさまじい、基礎がすごい)とかなりの好印象。2巡+5巡+控えLBの対価でサラリーほぼベアーズ持ちはお買い得だったと言えるだろう!普通は1巡が必要になるレベルだ
初試合というのもありスナップ参加は75%ほど、タックル数も5とベアーズ時代の半分くらいだが、数字には表れないところでの活躍も素晴らしい。そもそも彼のところにパスやランをしない、したとしてしっかり止める、常にフィールド状況を見ているのでタックルを逃しづらいなど高評価要素しかない
決して利己的でなく、他の選手を活かすためのチップなども見られ、クイーンとの相性も良さそうだ
まだ完全にプレーブックをインストールしたわけではないはずなのにコレ。今後さらに上げていくと考えれば恐ろしさしかない

セインツOLはランでもパスでも印象的な活躍は出来ず。Cマッコイが負傷するなど不運なところもあった
3rdダウン成功率は3/11しかなく、むしろ下がる場面をよく見たほどだ
合計獲得ヤードも243ヤードしかなく今季最少。怪我人とも向き合っていかなければならず今後のマネジメントが難しくなってくるかもしれない



スペシャルチーム
KタッカーはFG2/2。4Q以降の連続成功記録がどんどん伸びている
Pスタウトも、狙ったのかは分からないが短いパントが上手に転がって67ヤードなど4パント平均48.3ヤード、インサイド20が2回と堅い活躍
リターンチームはあまり仕事がなく、キックオフでRBヒルが最後に1回9ヤードを返したのみで、パントはフェアキャッチかサイドラインを出るかだった

セインツKルッツはFG2/2と確実な場所(最長37ヤード)から確実なキックだった
Pギリキンは5パント平均46.4ヤード。リターンさせないことを優先してたか
リターンチームはキックオフで平均16.5ヤード、パントでは1回8ヤードと短めだった印象

レイブンズのもう一つの武器であるWRデュバネイのリターンは見られなかった。カバーチームに関しては悪くなく、総じてここでの対決はドローと言った感じだろうか


















TNF、SNF、MNF、同地区対決と重要な試合は全て勝利中。セインツ戦は久しぶりの危なげ少ない試合になってくれた。これで9試合連続ゲーム中10点差をつけ6勝3敗、AFC北の首位に立っている
追う2位は今週パンサーズに圧勝したベンガルズ。チェイスがいない間にもういくつか取りこぼしてくれないかなあ
Week10はブラウンズがドルフィンズと、スティーラーズがセインツと対決するとのことで、もうすこし差をつけてくれるかもしれない
来週はベンガルズと同じくレイブンズもByeウィーク。TEコラーやOLBオジャボの復帰が見込めるほか今後の日程がリーグで最も楽なレイブンズとしては、全勝を期待できる。しかしどこかにトラップゲームは仕込まれているというのが常なので、Bye中も気を引き締めつつしっかり休んでほしい
後半戦も勝て!