またもや逆転敗北……





シーズン開始当初からスーパーボウル最有力との声が高かったビルズだが、Week3の同地区対決でドルフィンズに敗北
レイブンズもWeek2で4Qに28点取られてドルフィンズに敗北
イルカ相手にまさかの敗北を喫した両チームの対決は、ハイスコアゲームが予想されたが……



レイブンズオフェンスvsビルズディフェンス
この試合、QBラマーはパス20/29で成功率70%弱と、WRベイトマンのドロップ連発があるにしてはかなりいい数字。しかしながら今季リーグトップのパスTD数は最初のドライブのピッチパス1つのみ。さらに試合終盤に2intをくらうなど後半にリードを保てない展開
最終的にパス獲得144ヤード、レーティングも63と今季序盤が嘘のような成績になってしまった。一応パスTD数ではリーグトップタイではあるが、レーティングはトップから4位に転落。今後を期待したい
前半は調子のよかったオフェンス。ディフェンスがボールをビルズからもぎ取ってくれたことや相手の反則のおかげで、最初のドライブは敵陣なんと8ヤードからスタート。これをRBドビンズのランとパスでしっかりタッチダウンを奪うなど幸先の良い展開

次のシリーズではパスとランで相手ディフェンスを翻弄し9分超のドライブをタッチダウンで完結
スコアリングプレイヤーはまたしても先週復帰したRBドビンズだった!

レシービングではWRデュバネイがミラクルプレー含め5ターゲット4キャッチで51ヤードと未だに健在

しかし、ターゲットになって今季初めてキャッチできなかった最後の1つのパスが最大限に痛い(後述)
またTEアンドリュースは5ターゲット2キャッチで15ヤードのみ。WRベイトマンに至っては6ターゲットで僅か3キャッチ、獲得ヤードも17ヤードとかなり物足りない。FBリカードが3ターゲット3キャッチ17ヤードなので、これと比べるとWRの面目が保てていないぞ。なお試合終盤には怪我で出ていなかった
WRベイトマンの主な失敗はやはりドロップ。雨が降っていて滑りやすいのは分かるが、他のレシーバーはキャッチできていたのだから言い訳にはできないだろう

とはいえ、勢いを掴んでからはビルズディフェンスも強かった。TEアンドリュースとWRベイトマンというレイブンズのパスの生命線を徹底マーク、自慢のパスラッシュでQBラマーに逃げ出すか投げるか迷わせてミスを誘発するなど後半に進むにつれてドンドン冴えてきた
極めつけは4Q勝負所で千両役者のSジョーダン・ポイヤーによる2int。これが大激痛だった……
最後のオフェンスプレーは賛否両論。自分がHCならFGを蹴るが、実は統計上は微差でゴーが正解の様子
たしかに失敗したとしても敵陣1ヤードで相手オフェンスの開始だし、それでセフティを取れる可能性もある
ただこの前の数プレーを見るに明らかに上手く行く気がしなかったし、ディフェンスがFGで抑えてくれる信頼があったのならば猶更FGを蹴るべきだったろう。微差なら安全を取ってFGを蹴りたいというのもあり、ディフェンスに対して信頼が無いことを示してしまう恐れがある(実際にCBピータースがHCハーボーにご立腹だった)のもあり、そういった点でまだ自分はFG支持派ですかねえ
と言ってもこのプレーコールはかなり優秀で、早い段階で右ではWRデュバネイが、左ではRBデービスがオープンになっていた。ただそのときQBラマーは両サイドからのプレッシャーを警戒していて見ていなかったみたい。もったいない
やるにしてもサックやターンオーバーはご法度、やばいと思ったら投げ捨てるべきで、その意思疎通が上手くできていなかったのかなあ

ランでは序盤RBドビンズが好調で、早々に1TDを計上。しかし、怪我明けもあって後半は全く振るわず。勝負所でのショートヤードもむしろロスするなど計算が外れ始めた
更に、今季燃えている男RBヒルもドビンズの穴を埋めている最中にハムストリングを負傷。幸いにも軽症だったようだが、数週間は戻ってこられないだろう
結局RBドビンズは13回41ヤードで平均3.3ヤードと先週と同じく不調な数字に。RBヒルは8回45ヤードで平均5.6ヤードとしっかり進めてはくれたが負傷
コーチ陣は少しRBドビンズにいきなり負荷をかけすぎてるんじゃないかなあ
QBラマーは相変わらず11回73ヤードで平均6.6ヤードと、絶好調時ほどでないにせよ数字を稼いでくれた
チーム全体では33回162ヤードで平均4.9ヤード。数字だけで言えば文句はないだろうが、問題は勝負所でのコール。明らかに止められ始めた怪我明けのRBドビンズにあれだけ頼ってはいけない。せめてFBリカードをもう少し試してみるべきだったかもなあ……

オフェンスラインはやはり徐々にプレッシャーを許すように。しかし新人OLファーレレが人生初スターターLTになるなど、最初から分かり切っていたことなので仕方ない
むしろ2サックのみに抑えたQBラマーやコールを褒めるべきだろう
一方で今季これまで少なかったオフェンスでの反則数が、この試合では6つも。問題の1つは新人Cリンダーバウム。センターなのに試合で2回もフォルススタートしてはいけない。ホールディングは仕方ないにしても、彼だけで3つのオフェンスペナルティがあったぞ
フォルススタートや無資格捕球者ダウンフィールド侵入、イリーガルシフト、イリーガルフォーメーション、12メン、ディレイオブゲームなどの避けられる反則は避けていかないと取りこぼしてしまう

結局は前半に築いた20-3のリードを守れず。後半無得点で20-23とまたしてもホームで3ポゼッション差をひっくり返されてしまった
ビルズにとっては2011年以来のビッグカムバックだったようだ
やはりSポイヤーが超強力で、この日レイブンズのパスを彼1人で止めていた。今季4intでリーグ単独トップに浮上させてしまったぞ
また3試合11サックのビルズは、この試合ではOLBミラーが1つ、OLBグレゴリー・ルソーとDLダクァン・ジョーンズが0.5ずつで2サックのみではあったが、後半のプレッシャー率は明らかに高かった
レイブンズオフェンスはWeek3終了時点まではリーグトップの得点力を誇っていたが、この試合でその座を明け渡し3位に後退。前半に大量得点して後半沈黙のケースが多く、コーチ陣にも大きな責任がありそうだ
来週までにアジャストできるか

ビルズはSポイヤー、OLB陣、ILBマット・ミラノ(両チーム最多の13タックル11ソロ2ロスタックル)と期待の選手が期待通りの活躍で数字以上の堅さがあった。まだスーパーボウル最有力チームだと個人的に思う



ビルズオフェンスvsレイブンズディフェンス
今季もリーグ最下位のパスディフェンス。しかし、ターンオーバー奪取数もリーグトップで非常に評価がし辛いぞ
この試合、QBアレンは最初のドライブでDLキャンベルにボールをチップされCBハンフリーにインターセプトを許してしまう

しかし、前半終了間際にタッチダウンを奪うと後半に勢いを増した

最終的にパス19/36 213ヤードで成功率53%弱で1TD1int、レーティングは68.4。Week3まで成功率70%を誇ってきたにしては大きな下落だが、しっかりと試合をコントロールできる手腕を見せた
レシーバーではやはりWRディグスが4キャッチ62ヤードと躍動したがタッチダウンはなし、また警戒していたRBシングレタリーも4キャッチで47ヤードと堅実に進んだ
1スロー平均では5.9ヤードとかなり物足りない数字になっているが、これはやはりレイブンズディフェンスが頑張ってくれたからだろう
唯一タッチダウンキャッチをしたWRアイザイア・マッケンジーは試合途中に怪我でき離脱。代わりに出てきた新人WRカリル・シャキールは個人的に目をつけていた通り、2ターゲット2キャッチとビルズ唯一の100%キャッチで23ヤード獲得。いいレシーバーがたくさん居るなあ

レイブンズフロントはプレッシャー率はリーグでも底辺、JPPの加入があったがOLBヒューストンの離脱もあったのでこの試合でも差し引きゼロくらいたっだか
もっとも、今季沈黙していたOLBオウェーはようやくチーム唯一の1サックをあげ、またボールをしっかり抱えているRBシングレタリーからどうやったのか1FF。これをSウィリアムスが拾い上げ、試合前半の勢いを増してくれた!
DL陣はベテランのキャンベルと、目下大成長中のマドゥビケが好調。DLピアースは今季終了になったが、その穴をDLワシントンと新人DLジョーンズでしっかり埋めて欲しい

ビルズのランはQBアレンが11回70ヤードと牽引。RBシングレタリーも11回49ヤードで平均4.5ヤードと十分な数字を残したが、1つファンブルロストしてしまった
また今季調子のよかったRBザック・モスは僅かに3キャリーで6ヤード。チーム合計では25回125ヤードで平均5ヤードとそれなりの成績
ビルズはこの試合でパスとランで1TDずつをあげたが、ランでTDを取ったのもQBアレンだった

ILBクイーンは5タックル3QBヒット1ロスタックルと求められる通りに働いてはいたが、やはり外に逃がしてはいけなかった……
他にも2試合連続でインターセプト級のボールを落とすなど、パスプレーではカバーにもボールスキルにも問題あり。プレッシャーで輝いてくれ
レイブンズの最多タックルはOLBオウェー。7タックル1FF1サック2QBヒットとかなり頑張ってはいたが、試合終了間際にわざとタッチダウンを取らせようとしている中、なぜか彼が止めてしまってジ・エンド
コーチ曰く「タッチダウンを取らせるか、ボールを奪うか」をコールして、オウェーは後者を狙ったらしいが、こういった相反する指示を出すのはダブルバインドの問題もあるので避けても良いかも
他にも「既にRBがダウンしようとしてたので仕方なかった」的な発言もあったが、見る限りそういった感じではない
まあタッチダウン取らせたとしても追いつけた気はしないので大きくは言わないでおこう

パスディフェンス数は8とかなり頑張ったセカンダリ陣。ビルズ相手に23失点でパス213ヤードなら合格点を上げたい。これで差が詰まったもののまだパス最下位ではあるが……
特にこの試合でも1int1FRを記録し、7intはいまのところリーグトップタイ。ターンオーバー奪取数もイーグルスと並んでリーグトップタイとなっている

総じてレイブンズディフェンスはビルズオフェンスをよく封じていた。QBアレンにある程度走られるのは元々仕方のないところだったし
なのに勝てなかったのはなんでだろう。オフェンスとディフェンスの調子の良さが連動しないことや、一部のプレーコールに問題があったのかな……




スペシャルチーム
レイブンズKタッカーはオフェンスペナルティも問題なく51ヤードを決めるなど今日も2/2、EXPも2/2と大安定
またPスタウトも平均パントヤードが50ヤードを超えた。いいぞ
リターンチームは、キックオフでは平均20ヤードでもう一声と言った感じ。またパントリターンは無かった

ビルズKバスは、オフェンスのおかげで最長39ヤードと短めのキック。少しボールが流れたものもあったが、FG3/3でECP2/2とこちらもパーフェクトだった
Pマーティンはインサイド20が1つあり。またコントロールもしっかりしていて、レイブンズにリターンを許さなかった。いいパンターじゃん?
リターンチームは、キックオフでは平均23ヤードと25ヤードには届かないものの、42ヤードリターンがあったので素晴らしかった
一方でリターンは1回7ヤードと沈黙。パンターはレイブンズもいいんだぞ

これまで4パントしか蹴っていなかったビルズに3パントも蹴らせられた。スペシャルチームはキックオフリターンの差でビルズに軍配とはいえ、拮抗していたと言っていいだろう


















総じて攻撃は後半に課題あり、ディフェンスは思ってたより良かったという印象。レフェリングの問題もあって負けたが、次につながるような出来は見せていたという感想です
負けたのは非常に悔しいが、当初から上手くはいかないとの予想だったのでダメージは低い。もっとも致命傷範囲のダメージだけど
AFC北はQBタンゴバイロアの欠けたドルフィンズ相手にベンガルズが勝利、一方でスティーラーズはジェッツに、ブラウンズはファルコンズに競り負けて混戦模様。一応レイブンズは地区3位と苦しんでいるが、1位ベンガルズも2位ブラウンズも2-2なので差は無いと思っておこう
次の対戦相手はベンガルズ相手に今季初の同地区対決。負けられねえ
2-2は低調なスタートだが、負けた相手はドルフィンズビルズと強力な相手だったし、2019年は2-2から14-2でAFCトップを取った。ここから全て勝って今年こそスーパーボウルリングをかっさらおうぜ!