レイブンズ大勝利の2022ドラフト



指名結果

14位 Kyle Hamilton, Notre Dame
25位 Tyler Linderbaum, Iowa
45位 David Ojabo, Michigan
76位 Travis Jones, Connecticut
110位 Daniel Faalele, Minnesota
119位 Jalyn Armour-Davis, Alabama
128位 Charlie Kolar, Iowa State
130位 Jordan Stout, Penn State
139位 Isaiah Likely, Coastal Carolina
141位 Damarion Williams, Houston
196位 Tyler Badie, Missouri



   読みづらい



S 1人
C 1人
DE 1人
DT 1人
OT 1人
CB 2人
TE 2人
P   1人
RB 1人






セーフティシティ、ボルティモア
1巡1つ目は今ドラフトSトップ評価のカイル・ハミルトン!トップ10確実と言われていたので正直指名できるとは思ってなかった
レイブンズのSにはチャック・クラークという信頼できる男がいて、また今年のFAの動きとしてマーカス・ウィリアムスを大型契約で獲得もしている
つまりSのニーズは最底辺だったわけだけど、それでもここまで落ちてきたら取らざるを得ない
これでレイブンズにはベンチに回すのがもったいないSが3人。こうなると使い切りたい
ハミルトンはディープもボックスもスロットもブリッツもいける背の高い選手なので、NickelやDimeをも採用して複雑なディスガイズスキームから4-2-5を中心に組み立てるのはどうか
QBの目線でプレーを読むタイプなので、QBが見えづらかったり振り向かないといけないときに少し自信のない動きをするように見える。またアイフェイクにも引っ掛かりやすい
しかし、プレーに気付くスピードや前への推進力、タックルやゾーンカバーは一級品のものがあり、エド・リード級の活躍すら期待できるぞ!
アグレッシブさから1highには向いていないが、DCマクドナルドは2high多用系だし、なによりこれだけSがいて1highはもったいないので多用しないだろう
余談だが、母親が韓国系の美術職らしく、その才能もしっかり受け継がれているとのこと。またIQがべらぼうに高くメンサの会員になっている。ギリシャ出身
アジア系の入った甘いマスク、高い頭脳、芸術センス、そしてフットボールと神様が配分を間違っちゃったタイプの選手じゃないか








自分がドラフトで一番欲しかった男
1巡2つ目はまたしてもポジショントップのCタイラー・リンダーバウム
300ポンドに満たない体から、C以外は出来ないとのこと。レイブンズの掲げる「デカくてどこでもできる選手」の逆を行っているが、何があろう彼のCとしてのPFFグレードは史上最高値。2019年から継続してプレーして、僅かに2サック 6ヒット 11ハリーしか許していない。反則数も2つだけらしい
張り付くようなパスプロで耐え、ランブロックになれば本領発揮。アイオワ大出身ということはマーシャル・ヤンダ兄貴の後輩に当たるということ。これは期待せざるを得ない!
レスリングでは、あのバッカニアーズの怪物OTトリスタン・ワーフスに勝ったこともある。サイズ不足なんてものともしないポテンシャルは十二分なはずだ
特に今季Cボーズマンを失ったレイブンズにとってIOLはランを出すにしても最重要補強ポイントの一角だと思っていたので、この指名は大好きだ
プレースタイルの不一致と、NFLレベルの巨漢に対応できるかが注目ポイント。今後10年はセンターに悩まなくてよくなりそうだ








1巡前半級のタレントEDGE
2巡ではデイビッド・オジャボを指名
プロデイでアキレス腱を切るまではレイブンズの1巡候補筆頭だった。直近の大怪我なだけにシーズン全休もあり得て、そのためにここまでランクを落としてしまったがポテンシャルは1巡前半
Week3程度で復帰できる可能性もあるといえばある
DCマクドナルドの教え子であり、HCがジムから兄ジョンへ、オウェーを見てフットボールを始め開花、高校時代はオウェーとチームメイトと、レイブンズにドラフトされる運命にあったのではと思うほどに関りが深い
大学では驚異の11サック12ロスタックル5FF!これは期待するのも当然なはずだ






なぜか3巡に残っていた逸材
3巡ではまたしてもスティールピック
1巡で取られてもおかしくないと言われたDTトラビス・ジョーンズがレイブンズに加わった
Jordan Davisはスタミナ不足で2down確実、プレッシャー技術も乏しいと言われた中で、ジョーンズはマイナー校コネチカットでしっかり出場し(2020年はチーム自体がCOVID-19でプレーしなかったが)QBプレッシャーもかけていた
特に4-2-5や4-1-6など後ろに比重のかかったディフェンスを展開するには、AギャップでCとOGをしっかりダブルでひきつける強力なNTが必要。それをピアースに加えて更に手に入れてしまった
なお本人は5テクまで全部できると言っているが、ほぼNT起用だろう
これはニーズにもぴったりのエリートピックだぞ




マイナー校のためフィルムが少ない……(それでマークしていなかった)





デッカいことはいいことだ!
RT期待のダニエル・ファーレレは非常に興味深い選手。徐々に評価を下げていたが、やはり6'8'' 380ポンドは魅力的
レジェントLTオグデンとほぼ同じ身長で、より重い。まあオグデンはこれにスピードがあったのでやばかったわけだけども
ファーレレはスピードは無いのでLTは無理。いまのところデカいだけって感じだけど、しっかり学んでそのデカさと長さで圧倒してほしい
RTもRBもできるQBってのは新しすぎるかな?








タックリング全振りのCB指名
CBはジェイレン・アーマー=デイビスデメリオン・ウィリアムズを指名。デメリオン君は手元の名簿に名前がなく完全にノーマークで情報が少ないが、調べた限りでは高いキャプテンシーに加えてタックルやスピードを期待してのスペシャルチーマーと言った感じかもしれない。ただ5'10"" 182ポンドは流石に小さくないか。練習生スタートになりそう
あとはかなり怪我に強いのではないかという噂も。そこを高評価したかな?
もう片方のアーマー=デイビスはサイズそこそこバマのタックラーと言った感じ
レイブンズはよくアラバマの選手をドラフトするイメージがあるが、実はデコスタ政権下では初のアラバマ選手の指名になる
スターターが1年だけなので経験値に少し心配があるけど、素材だけなら3巡もあり得た選手だ
この手のタックリング選手が好きなんだよなあレイブンズ
ハミルトン指名でNickel、Dimeを多用する可能性もあるということで、それも考えての選択ではあると思うけれども



 (去年のハイライト)





柳の下のアンドリュース
TEはまさかの2人指名
しかもブロッキングTEではなくレシービングTEのチャーリー・コラーアイザイア・ライクリー
これとWRの指名が無かったことから導き出される答えは……
TEアンドリュースが活躍するスキームならTEがWRやればいいいんじゃないの!?ということではないか!?!?!?!?
コラーは学業優秀、身長もアンドリュースより2インチでかい魅力的な選手
ライクリーもPFF史上最高のTEグレード
なるほど選び難いところはあったか。ならどっちも取っちゃえと


 TE   TE    LT LG C RG RT      TE
                       QB
                    FB    RB

てな感じで。奇抜でいいぞお(他人事)










地味ながら優秀なパンターの入れ替え
パンターは4巡130位という高順位でペンステートのジョーダン・スタウトを指名。ド安定のパンターでホールドも悪くない
レフティのAraizaもかなり魅力的なパンターだったが、さすがにギャンブル感があったか。バッカニアーズもCamardaの方を選んでいた
右利きに慣れているというところや、実際の平均開始地点はスタウトの方が上なこと、長い滞空時間、ホルダーとしての安定性、パントフェイクでのパスなど飛距離以外で上回る要素が多かった
あとキッカーとしても57ヤードのFGを成功させている。タッカーも危うしかあ?
おそらく契約最終年で40歳になるクックをカットして、2.1Mのキャップスペースを作ろうとしているのだろう
これでベテランEDGEかWRをだな……
この動きは普通に正解だと思うし、4巡にSTが3人取られたことからしても、6巡を待たなかったのは正解になったかもしれない







新たなタイプのRB
レイブンズの今年最後の指名になったRBタイラー・ベイディは小柄でパスキャッチのできる選手
狙っていたRBゴードンとは全然タイプが違うが、これもまた一興
競争相手はジャスティス・ヒルとタイソン・ウィリアムス。ヒルがカットバックタイプ、タイソンがパワータイプで、ベイディはワイドに開きスペースで勝負するタイプだ
スウィングルートやフレアルートから上がっていくのが得意なので、RBスクリーンとかも組み込めるようになるかもしれない。カレッジでやってた雰囲気はないけど
実は小さい時はボルティモアに住んでたらしい。引退後の夢は消防士とのこと







雑感
パンターの当たり年でQBは不作という巷の分析は正しかったですね。4人もパンターが指名されたことなんてあるのかな?
一方でQBは1巡に1人、3巡以降にちらほらみたいな感じで8人指名。枯れ果てとる
WRは価値が高まったせいか激しい市場を形成。特にトップレベルのWRはチームをがらりと変えてしまうということが去年のベンガルスや49ersから分かってしまったので、すぐ強くなりたいチームは欲しがる
そうするとサラリーが急騰する、WRからの要求額も上がる、キープできずに放出。こんな流れが続きそうで怖い
WRハリウッド流出は残念だったけど、チームとは円満な別れになったようで良かった。カーディナルスもマレーの元チームメイトを引っ張ってご機嫌取りに成功したし、レイブンズにとってはWRハリウッドが1巡後半の価値で売れたしで、まあまあヨシでしょう
問題はQBラマーの精神状態。ハリウッドはラマーじゃなくてシステムのせいなんだと言っていたが、レイブンズのシステムはラマーなので、それはやはりラマーのせいということになってしまう
落ち着いてくれるといいんだけどなあ。これを糧にパス能力をどんどん磨いてくれ。ハリウッドを取り戻そうじゃあないか



今季はILBとWRをドラフトしなかった
WRの代わりにTEということなのか
LBの位置にハミルトンが入れるからなのか、それとも1LB体型も視野に入れているのか
まあバインズ、クイーン、ハリソンがいるので急ぐことは無かったのも事実
代わりと言っては何だが、UDFAではWRとLBをこれでもかとばかりに獲得している。数撃ちゃ当たるぜ!

Cリンダーバウムはスターター確実として、Sハミルトンは現状の3-4BaseだとSクラークとポジション争いになってしまう。古い知識なのでアップデートされていないかもしれないが、確かプレイコーラーはクラークだったはず。ハミルトンは同時にプレイコーラーとしての役割も勝ち取らなければならないかもしれないぞ
だから4-2-5ベースにしないですか?4-1-6でもいいぞ
DTジョーンズはピアースとスナップをシェアするはず。先輩から沢山学んでくれ
EDGEはオジャボのみの指名。怪我の選手でルームを埋めてしまっているが、問題なく復帰できるとの算段なのか、それともベテランに目をつけているのか。一応UDFAで速そうなのを連れてきてはいるが
CBはアーマー=デイビスに期待。デメリオンももしかしたら予想外の成長をしてくれるかも
Pは恐らくドラフトしたスタウトがやることになるだろう
TEはアンドリュース、ボイル、オリバーに加えてコラーとライクリー。彼らをWRの一部とみなすのか、それともあくまでTEとして2人くらいは削る方向性なのか
RTはモーゼスの控えにファーレレ。ジェームスが怪我明けなのと、モーゼスも年齢があるので若くて健康なビッグマンは頼もしい控えとなってくれそうだ
RBベイディもドビンズやガスにない役割を担えそうなので注目

中々に楽しいドラフトだった。3巡中盤あたりまでは大賛成だったが、TEの2人目を指名したあたりからは自分の中で混乱が発生
WRニーズとEDGEニーズの見通しが少し良くない中で、それでもWRや健康なEDGEを取らなかったことがどう影響してくるか
FAでベテランを引っ張ってこれる自信があるのか
それとも全く新しい戦術をフットボールに吹き込むのか


いやあ、もう開幕が待ち遠しくてたまらない